バンダイ・ウルトラ怪獣シリーズ(2000)

ウルトラマン第26・27話「怪獣殿下(前後編)」登場
古代怪獣 ゴモラ

 正統派怪獣ということではレッドキングと双璧をなすゴモラです。ゴモラの頭部のデザインについての考察は「パチモン怪獣」のコーナーで適当なことを書いてますが、デザイナーの成田亨氏の本によると、巨大感を強調するために体にパースを付けたレッドキングに対し、さらに上から見下ろされる恐ろしさを狙ったのが、ゴモラの「前に突き出した首」だということです。それはそうと、レッドキングもゴモラも、強い怪獣として描かれながらどちらも飛び道具を持ってないんですよね。特にウルトラマンの頃は「口から光学合成の光線を吐くのはゴジラの専売特許」という意識がまだあったのか、地球に自然に生息していたという設定の怪獣は、飛び道具を持たないパワーファイターである場合が多いように思います。地球怪獣で放射火炎状のものを吐くのはラゴン、ガボラ、ジラースくらいで、これらも「放射能で巨大化した」「ウランを食べる」など、ゴジラと同じ「放射能」属性を与えられています(ジラースは言わずもがな)。またヒドラやテレスドンは本物の火を合成して差別化しています。こう考えると、当時の子供達がイメージした「ゴジラ=放射能=普通の怪獣より強い」は、ゴジラの映画自体より、むしろ比較の対象であるウルトラ怪獣の配慮によりイメージされるようになったのかも知れないですねえ。

 新規造型になって、決定版的スタイルになったゴモラ。造形的な不満はほとんどないですね。あとは色でしょうか。ゴモラはもっと明るい茶色のイメージがあるんですが、どんなもんでしょう。あとはあの目つきの再現性かなあ。まあそこまでいうとあとはもう自分で塗るしかないんですけどね。そういえば1983年ごろ、改定前のゴモラのソフビが出た当時に、造型にはどうしようもないと思ったものの、好きな怪獣なんで買って自分で色を塗り直し「結構よくなった」と(これでも)思ったものです。だからここまで造形的にいいものなら、自分で色を塗れば最高に納得いくものになる、というものなんですが、なんか逆におっくうになるんですよねえ。「ここまでよけりゃいいか」って。(^_^;)

      旧版ゴモラ・18歳のMASH塗装(笑)→

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