円谷コミュニケーションズ・怪獣郷

恐竜戦車

 1999年発売、円谷コミュニケーションズの怪獣郷シリーズ8番、恐竜戦車です。成型色はブラウンとグリーンの2バージョンがあり、劇中のイメージに近いのはブラウンですが、私が持ってるのはグリーンです。これはこれで戦車部分がらしくていいんですが、左の写真では恐竜部分だけ色を変えて茶色にしてみました。場所はお台場です。フジテレビが隠れちゃってますが。(画像をクリックすると大きなサイズで見れます)

 セブンの怪獣の中でも異彩を放ちつつ、「恐竜」と「戦車」という、男の子にとって魅力的な要素が合体したキャラクター「恐竜戦車」。こりゃ燃えないわけがない〜・・・かと思ったら、なんか微妙なキャラクターです(笑)。いや、好きなんですけどね。なんといってもインパクトありますし。ある意味これこそまさに「機龍」でしょう(笑)。しかし何のために戦車に恐竜乗っけてるんでしょうね。目から光線出してますが、自由に動き回るためには普通の足の方がいいと思うし、戦車としてなら単にビーム砲を積んだ砲塔を載せた方がいいと思うんですが。恐竜らしい攻撃って尻尾くらいしか使ってなかった気がするし。あ、でもセブンに最もダメージを与えた「腕轢き攻撃」、あのために重量があった方がよかったのかも(^_^;)。そういえば3連装の大砲もあるんですね。ガミラス戦車より先取りしてるぞ。でもよく考えると、旋回砲塔じゃないから、正確には「恐竜戦車」じゃなくて「恐竜自走砲」かも。(^_^;)
 ところで、上に乗っかってるこの恐竜は、なんて恐竜なんでしょうね?元は4本足かと思えますが、顔は同じ高山良策氏の手になる「怪獣王子」の「シシ竜」に似てるので、獣脚類とも考えられますし・・・


 さて、恐竜戦車といえば、去年(2002年)バンダイのウルトラ怪獣シリーズでも新規造型のものが発売になりました。見ての通りで、リアルタイプとして出来は非常にいいです。せっかくなので、怪獣郷のソフビと、このバンダイのソフビとで、「大研究」コーナーの定番である「徹底比較」をやってみたいと思います。
 まずは、野暮だけど避けて通れない「価格」の話。バンダイのウルトラ怪獣シリーズはご存知の通り700円。昔に比べれば高くなったとはいえ、それ以上にクオリティの向上が目を見張るばかりなので、特にボリューム感のあるこの恐竜戦車などは、かなりお値打ち感があります。対して怪獣郷のソフビシリーズは5000円。これはモノがどうこういう以前の段階で誰しもが「高い」と感じる値段ですが、他のメーカーの商品を見ても、この手の「マニア向けレトロタイプ少数生産スタンダードサイズソフビ」の相場としては一般的なものです。それ故に一般向けではないとも言えるわけですが・・・・。また、この手の商品のどういう部分に価値を見い出すかも千差万別なのが難しいところです。これまた、それ故にメーカーごとの個性を打ち出して、複数のメーカーが小さい市場でなんとかやっていけてるとも言えるわけですが。
 ちょっと話が脇にずれてしまいました。本来は絶対値としての価格に見合う満足度が得られればそれでいいのですが、比較対象があると、ついその満足度が「7倍以上もの価格差に見合うものか」などと考えてしまうのは仕方のないことかと。でもそれは数値化出来るもんでもないですからね〜。例えば、レトロソフビの満足感のひとつに、手にした時のボリューム感があります。それは単に大きいというだけでなく、質感や形状から来る優しさみたいなものです。レトロソフビを手にする時の持ち方は、掌が密着する「抱く、握る」という感じに近いものがありますが、小さくてリアルなソフビは、指先だけで持つ「摘む」といった持ち方になりがちです。そうでないと変型したり痛かったりという不快感が手から伝わるからです。


 さてようやく本題。2つのソフビの大きさや形状といったマテリアルな部分の比較をしていきましょう。恐竜戦車が届いて箱から出した時、最初に感じたのは「思ったより小さい」ということでした。正面から比べると、怪獣郷のものは圧倒的なボリューム感を持っているのですが、それはほとんど高さだけの違いです。しかもそれはポーズの違いから来る要素が大きく、明確に大きさに差があるのは頭部くらいです。ただ、このポーズの違いは両者の方向性を示していて面白いです。バンダイのものは戦車にしがみついてる感じなのに対し、怪獣郷のは戦車の上で暴れてる感じで、掌の向きからして、左手は戦車から浮かしているのが正位置のようです。
 上から比べると、大きさに差がないことが一番ハッキリします。怪獣郷のものはバンダイのより、恐竜が戦車の後方寄りに乗っているので、その分をずらして考えると、長さ的には全く頭の大きさの違いの分だけしか変わらないことがわかります。キャタピラ同士を向かい合わせれば、戦車部分の長さにも差がないのも一目瞭然です。ところで、怪獣郷のは戦車に高さがあるためか、あるいは戦車の底に刻印を入れるためか、上下2パーツ構成になっています。
 なにか、怪獣郷の恐竜戦車が小さい、ということばかり強調してるような感じになってしまいましたが、だからダメといってるのではありません。そうなら先にバンダイの恐竜戦車を買ってるのに、わざわざ後から怪獣郷のを買ったりはしません。まあオークションで半額以下だったんですが・・・(^ ^;;;;。
 ここで大きさのもうひとつの目安、重さについて比べてみましょう。怪獣郷の恐竜戦車は214g、これはこの手のソフビの極めて標準的な重さです。つまり、戦車と恐竜合わせて1体分であり、「通常の大きさの怪獣ソフビが戦車に乗ってる」のをイメージすると小さく思えてしまうだけなのです。ちなみにバンダイの恐竜戦車は160g、やはりあまり差がないですが、ハッキリいってこれは重過ぎです。このシリーズのソフビの重さは、ゴジラタイプの尻尾の長いやつでも110gほど、宇宙人だと70〜45gくらい、ウルトラマンに至っては30gちょっとです。最重量級とおぼしきネロンガでも126gですから、恐竜戦車はまさに2〜4体分の重さを誇っていると言えるのです。結論として、バンダイの恐竜戦車がお得過ぎたと、そういうことなのですね。(^_^;)

 ところで、恐竜戦車のソフビがあるとなると、誰もが考えるのが、戦車をリモコン戦車に置き換えた「リモコン恐竜戦車」を作ることではないでしょうか(考えない?(^_^;)。しかし、このサイズのリモコン戦車(それも、できれば61式)というのは案外ありません。1/48でもまだ大きくて、デフォルメタイプならいいサイズがあったような気がするものの、それじゃあなぁ・・・と思ってましたが、怪獣郷の恐竜戦車になら合うかも知れませんねえ。また探してみようっと。

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